「職場環境」と「健康」の相関関係が南フロリダ大学のメタデータ分析で明らかになりました。
ストレスを溜めるのは良くないと知っていながら、「会社では嫌なことを我慢するのが当たり前」なんて思っていませんか?
その考え方、《早死に》するかもしれませんよ?
職場でのどんなストレスがどの様な健康被害に関係しているのか確認して、今の職場環境のチェックや、新しい職場選びの基準にしてみましょう。
研究で明らかになった「健康を害する職場」ランキング
南フロリダ大学心理学科の研究で、「職場のストレスと健康被害の相関関係について調べた79件の研究データを精査したメタ分析(Can work make you sick? A meta-analysis of the relationships between job stressors and physical symptoms)」が行われました。
この研究では、胃腸障害や睡眠障害、頭痛、腰痛などになりやすい職場の条件がランキング形式で発表されています。
転職を考えた時にも、職場でストレスを受けやすい状況がどんな状況なのかを理解していると、今の職場を切り捨てた方がいいのか、これから面接を受けようとしている職場がどうなのかを客観的に判断することができます。
もちろん理想はどれにも該当しない職場ですが、現実はなかなかそうもいかないので、なるべく該当する項目が少ない職場を選びたいところです。
それではどんな職場が体調不良を招きやすいのか、7位から順番に見てみましょう。
該当したら辞めるべき!?メンタルも健康も崩壊する会社の条件
第7位:【長時間労働】「残業=やる気」って…バカなの?
このご時世に「残業=やる気」とかいって残業することを評価する会社はさすがに少なくなってきているとは思いますが、業界によってはまだまだ業績などの内容よりも残業を美徳とする無能な組織も存在します。
ブラック企業の代名詞でもある長時間労働が「7位」は意外でしたが、当然睡眠不足などになりやすく、睡眠を削ると心身ともに様々な支障をきたします。
労働時間と収入は比例しないことはご存知かと思いますが、自分の会社だけではなく他の会社の状況も調べてみましょう。
第6位:【裁量権の無さ】やらされてる感
仕事をどの順番で進めるのかや、出勤時間等を自分の裁量で決められないケースはまだまだ多いと思いますが、実はコレも危険です。
有給休暇を自分のタイミングで取れないなんてことは労基法上ないはず(やむを得ない場合を除く)ですが、日常の業務や勤務時間など、常にやらされている感を感じているのであれば幸せからは遠のいてしまっています。
心理学的には、自分の行動次第で幸せを手に入れられる”意図的行動”が幸福感を満たす要因の40%を占めています。
幸せになりたいなら、裁量権が多い働き方をすることが近道かもしれません。
第5位:【不明確な役割】えっ?どこまでが自分の仕事?
転職や就職をして入社初日〜数日間は特に疲れると感じることがありませんでしたか?
実は一番疲労感を感じる要因となっているのが「役割が不明確」なんです。
入社間もない新人だけではなく、上司の気分によってアレコレ雑用を命じられるというのも、一体自分の役割はなんなのかよくわかりませんし、ストレスが溜まりますよね。
また、社内での自分のタスクが全体にどのように影響していくのか、自分のになっている役割を理解しないまま働いていると当然当事者意識も生まれないし、責任感も薄れてしまいます。
自分で自分の役割を認識することで疲労感を緩和し当事者意識を芽生えさせることに繋がりますが、そもそも思いつきで上司のやりたくない仕事だけ押し付けられるような職場にいるのなら、ストレスと疲労感で疲弊しきってしまう前に職場を変えることをオススメします。
第4位:【高負荷】終わりが見えない…
業務に負荷が掛かり過ぎている場合も疲労感と大きく関係してきます。
これは長時間労働に限ったことではなく、短時間であったとしても「時間が足りない」と感じることがどれだけあるかということです。
実務的には、たとえ労働時間が短かったとしても「時間が足りない」と思う気持ちから、仕事を持ち帰ったり、勤務時間外にも仕事のことを考えているケースもあるのではないでしょうか。
勤務時間内に余裕を持って完了できる仕事量が好ましいのはもちろんですが、業界によってはなかなか難しいかもしれませんね。
第3位:【嫌な上司・嫌な同僚】口を開けば嫌味ばっか
上司、同僚とのコミュニケーションは、健康に大きな影響を与えます。
社内に仲の良い人がいないと心疾患やガンになりやすく、良い同僚や上司に恵まれない人はそうでない人に比べて約50%ほど早く死亡するという研究データもあります。
口を開けば誰かの悪口ばかりの上司や同僚、他人を蹴落として出世する人が評価されるような人事評価、このような社内空気の原因となりやすい「過度に社内競争させようとするような会社」は、あなたの命を守る為にも一刻も早く辞めるべきです。
「うちの会社で頑張れば、どこに行っても通用する」なんてありきたりな嘘を真に受けて、他人と競争させる会社で我慢することによって例え出世したとしても、その先に待っているのが「早すぎる死」である可能性が高いのなら…そうなる前に対策をしっかり考えないといけませんね。
第2位:【上司によって指示が違う】Aさんは〇〇って言ってましたけど…
「なんでAなんてやっているんだ!Bだろうが!」
(えぇ…さっき〇〇さんはAって言ってたんだけどなぁ。。)
一つの業務に対して上司によって言うことが違ったり、指揮系統がバラバラな会社にいると、消化器官の健康を害することと相関関係があることがわかっています。
「”我が社”らしさ」という本当は誰も理解していない曖昧な社内標語を多用していたり、上司同士のコミュニケーションが取れていなかったりすることが主な原因となりやすいです。
ある上司に「12時までにこれやっておいて」と言われたのに、違う上司には「今すぐ会議するから資料まとめろ」と言われたり、本来上司は業務をスムーズに行う為の指揮系統を担っているはずなのに、それができていないなんて上司である資格はありません。
そんな上司が「上司」というポジションに居続けられるような会社は、さっさと見切りをつけて辞めた方が賢明です。
第1位:【制限が多い】やりたいのに…(なんでだよ!)
会社を良くしたり、業務を効率化するアイディアがあったとしても、組織の中で様々な制限があってそれができないということはありませんか?
自分の能力を活かせる部署へ配属してもらえない、予算不足、人員不足、無駄な会議が多すぎて作業時間が取れない、上司がやらせてくれない等々、「こうすれば上手くいく」とわかっていても、それをやらせてくれない・検討すらしてくれないような会社にいると、消化器官の健康を害し疲労感が募ります。
残業漬けの日々や膨大な仕事量をこなさなければならない状況よりも、制限が多くて「やりたくてもできない」ということが健康には一番悪影響を与えているのです。
あまりにも制限が多くて雁字搦めにされてしまうような会社は、一刻も早く逃げてしまった方が身のためですね。
まとめ
いくら良い収入を得るためと言えども、健康を害して寿命を縮めてまで良い収入を得る必要があるのかどうか、改めて考える良い機会になったのではないでしょうか。
そもそも収入も良くなくて安月給で労働環境も今回ご紹介した7つの項目に該当する場合、迷わず職場を変えるべきだと思います。
収入、肩書き、そんなものはまず健康あってのものです。
我慢の先に待ち受けているものは、本当に「高収入」や「安らぎ」ですか?
何年も我慢した挙句、両方とも手に入らず健康まで害する可能性はないですか?
兎にも角にも、体が資本です。
今回のランキングを参考に、健康的に働ける環境を探してみてはいかがでしょうか。