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税理士事務所ってどんなとこ?給料は?ブラックが多い? - HAJIBOKI

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コラム

税理士事務所ってどんなとこ?給料は?ブラックが多い?

更新日:

はじめて税理士事務所で働く人は、税理士事務所についてどんなイメージを持っているでしょうか。
給料高そう?資格ないといけない?ブラックっぽい?
今回は複数の税理士事務所で働き、業界各所にパイプのある私まーさんが「税理士事務所って本当はこんなところ」という内容についてズバッと紹介をしていきます。

高層ビルの写真に「税理士事務所 どんなとこ?」という文字の入った画像です。

資格がなくても出世できる?

税理士資格がなくても税理士事務所で活躍し出世することは十分可能です。

まーさんは税理士資格は持っていませんでしたし、実務のできるできないは税理士資格の有無に関係はありません。

ただし就活する時に資格を持っていると、業界への窓口が広がるのは事実です。

税理士として独立するか、税理士法人の社員税理士になるのであれば税理士資格は必要ですが、税理士事務所・税理士法人で働くのであれば必ずしも必要になるわけではありませんし、税理士資格を持っている人の方が仕事ができるわけでもありません。

実際の業務は資格の有無に関わらず、出来るか出来ないかだけです。

税理士資格だけあっても実務では使いものにならない税理士なんて腐るほどいますし、資格があってもなかなか昇進・昇給しない税理士は沢山います。

逆に資格がなかったとしても、実務能力が高い場合には十分にその会社の要として働くことができます。

ただし、お客様から見れば名刺に「税理士」と書いてあるかどうかが重要となってくるので、初対面のお客様の場合は特に税理士資格の有無が重要になってきます。

また、会社によっては資格手当があったり、税理士有資格者数を増やしたいという思惑もあるので、資格はあるに越したことはないです。

それでも無資格者は有資格者よりも冷遇されるかといえば、実力次第では逆転現象も起こりうるので本人次第といったところです。

ある知り合いの税理士は、自分の右腕となる無資格者に辞められたら事務所が成り立たなくなると言って、その無資格者の方に自分と同等の給料を支払っていました。

税理士資格がないと書類に責任を持つこともできませんし、いくら実務能力が優れていても将来的に独立することはできませんが、どこかの税理士事務所に勤めて出世するという意味では、資格の有無はそこまで大きなインパクトはありません。

税理士資格がないと独立開業や法人役員になることはできませんが、税理士資格があってもなくても、自分の能力を磨くことでいくらでも上を目指すことのできる業界です。

働きながらの資格取得は難しい?

勤め先によって大きく異なります。

受験生用の就労プランを用意してくれているところもあれば、平日は定時なんか関係なく残業が続き土日も出社しなければならないようなところもあります。

経営者目線で考えればよく分かりますが、入社して仕事も覚える前から毎日「勉強があるんでお先に失礼します。」と定時ぴったりに帰る人を見たら、自分の事は一生懸命だけど会社の業務は二の次なんだな、と思われてしまうでしょう。

ではどうすればいいのか。

まず1つ目は、会社として従業員の資格取得を全面的に推奨している事務所に入社することです。

定時で毎日帰れる働き方を選択できる事務所もあります。

しかし、そんな都合の良い事務所はごく稀で、実際にはほぼないと思っていた方がいいかもしれません。

よくあるパターンは、求人の募集要項に「資格取得者を応援しています」という記載があったとしても、入社後に実質残業を強要されるパターンです。

もちろん平日の学校もなかなか行くことができません。

これは見分けるのが非常に難しく、面接の場でも実情を伝えずに「入社させたらこっちのもんスタイル」の事務所も存在するので注意が必要です。

次に、会社の仕事はキッチリこなし、周りを味方につけながら隙間時間をうまく使う方法です。

特別受験生に対して待遇が良い訳ではありませんが、昼休みや通勤時間を有効活用して、1分1秒も無駄にしない鋼の精神で勉強に取り組むのです。

私が働いていた職場では、春休みになるとすぐに理論マスターを取り出して、カロリーメイトを頬張りながらひたすら繰り返し頭に叩き込んでいる人がいました。

その方は、仕事を覚えるスピードもダントツで早く、すぐに事務所では無くてはならない存在になっていました。

私の経験上、その方に限らず仕事もキッチリこなし、隙間時間も無駄にしない様な人は、職場でも信頼され試験も受かる確率が高かったように感じます。

周りもその方のそんな姿をいつも見ていますから、遅くまで残っていたら手伝ってあげようと協力的になってくれます。

周りを圧倒する位、集中して目的を達成するという信念を持つことで、周りも応援してくれるようになります。

最後に、パートになるor転職or離職して専念する方法です。

雰囲気的に帰れない空気を作り出す(残業を強要する)組織に入社してしまった場合で、事務所と交渉したり、その中でも隙間時間を有効に使おうと努力したにも関わらず、周りが応援するどころかその逆である場合、そんな場合は正社員じゃなくて時間給のパートにしてもらうか、辞めて転職するか、辞めて勉強に専念するか、という選択になります。

今までバリバリ働いていた職場でパートになるというのは、空気的に難しいことも多いかもしれません。そんな時は、会社にバレない様に転職活動をしてみましょう。

転職理由を「もう少し勉強する時間を確保したい」ときちんと話し、それでも良いと言ってくれる事務所があれば転職成功です。

万が一、通勤圏内にその様な事務所がない場合、転職活動した結果、今の事務所に留まる可能性も否定できませんので、そんな場合はきちんと転職エージェントに相談しながら転職活動する事をお勧めします。

1年、2年勉強に専念しても金銭的に問題がない場合は、間違いなく辞めて短期決戦で試験に挑むべきです。

税理士業界だと、専念して職歴にちょこちょこブランクがある方も珍しくありませんので、職歴に空白が生まれることは気にしなくても大丈夫です。

短期決戦で一気に決着をつけられる様に頑張りましょう。

税理士業界全体で見ると、働きながら資格取得を目指す方に対しては決して甘くない状況という事ができると思います。

もちろん中には働きながら5科目合格するツワモノもいますが、一般的には大学院で免除を受け税理士になる方が圧倒的に多いというのが現状です。

出世は年功序列?

時代の流れで税理士業界も年功序列の給与制度は少なくなってきたとは言え、公務員をはじめ大企業でもまだまだ根強く残っている悪しき習慣ですね。

税理士業界では比較的実力主義的なところが多いです。

役員となるには税理士資格を持っている必要がありますが、社内の要職に就くためには資格を必要とせず、相応の経験と知識があれば良いという事務所も多くなってきています。

税理士といっても2科目は大学院へ行けば免除されるので、簿記論・財務諸表論に加えて酒税法や国税徴収法といったボリュームの少なくほとんどのケースで実務に役に立たない科目をとって税理士となる人が本当にたくさんいます。(個人的には本当に実務のできない税理士を数多く見てきたので、そもそも税理士試験制度自体に疑問を感じます。)

そのため、税理士資格を持っているというと社外受けはいいのですが、実際のところ実務能力があるかないかは別の問題なのです。

実力主義的な事務所が増えている背景には、税理士試験制度の影響もあると思われますが、無資格者にとっては都合の良い状況かもしれません。

無資格者であっても有資格者に実務の教育をすることなんてザラにある業界なので、資格の有無や年齢に関わらず自らの能力を上げれば上げるほど昇進・昇給する業界なのです。

入社の順によっては多少の差はあるかもしれませんが、それもよっぽどのこと(創業期を支えたとか、新事務所立ち上げに携わったとか)がない限り影響しないところがほとんです。

もともと複数回の転職が当たり前の業界ですので、入社順・年齢の順に出世するなんてことは、経営する税理士が古い考えで凝り固まっていない限り滅多にありません。

逆に「うちは年功序列です」とか「入社順で給料が決まってる」とかいう税理士事務所があったとしたら、私は絶対にオススメしません。

年収はどの位?

未経験入社の場合、月収は20万円前半がほとんどです。

経験者として入社する場合は、その経験内容によりけりですが、月収は30万〜50万円位がレンジです。

もちろん入社してからの年数に応じて順調に昇進・昇給していけば、月収60〜100万円も夢ではないと思いますが、これは事務所経営者によって全然違う結果になりそうです。

賞与は年2回の事務所が多く、2ヶ月分×2回の事務所もあれば、1ヶ月分×2回の事務所もあります。

月額給料は多く見えても年収にしてみるとむしろ少ない、なんて事がないように応募する前にきちんと調べておくようにしましょう。

その他に、多くの税理士事務所でインセンティブ制度が取り入れられています。

例えば、担当のお客様が不動産を売却した場合、不動産を購入した場合、保険に加入した場合、新規のお客様をご紹介頂いた場合、その他社内で表彰された場合等は、ある程度の金額をインセンティブとして受け取る事ができる可能性があります。

私の経験上、未経験で入社した場合は初年度の年収が300万円前後になる方が多かったです。

5年程度経験を積んだ場合は5〜600万円程度が多いレンジとなりますが、中にはうまく転職を活用して1,000万円プレーヤーとなる人もごくごく稀に存在します。

年功序列の事務所はほとんどなく、未経験者でもある程度良い年収を掴むことのできる業界ではありますが、事務所によっては給料は良くても社内政治に心労が絶えず、無駄なストレスを抱え続けることもありますので、より働きやすい職場環境を作ったり探したりすることを常に心がけるようにしましょう。

ブラックな事務所が多いって聞いたけど、ホント?

残念ですが、この業界は間違いなくブラック事務所は多いです。

みなし残業40〜50時間はあたり前で、その残業時間を3倍超えたとしても1円も残業代が支払われない事務所もあります。

150時間の時間外労働・休日出社をしたとしても、その分の記録をみなし残業時間内に収まるように修正しないと受け取らないと言われ実質改ざんされる事務所も存在します。

近年、国を挙げて働き方改革などと叫ばれておりますが、時代に逆行している事務所もあるということを忘れてはいけません。

もちろん実際に働き方改革に取り組んでおられる事務所経営者もおりますが、ブラックまっしぐらでいかにプライベートを犠牲にしているかの残業自慢大会が日常茶飯事の事務所もあるのです。

皮肉なことに、こういった事務所こそ率先してブログや求人広告等に「働き方改革実行してます」とか「有給消化率100%」と記載していたりします。

(表面上は)見返りを求めずプライベートを犠牲にして働く事が美徳という考え方を持った人が多いのも業界の特徴かもしれません。

それでも一昔前と比べると年々労働環境は良くなってきていると思います。

今はまだ実現できていなくても、将来的に実現させるために日々思考している経営者もいますので、日頃からブログや会社説明会等でよくチェックするようにしてみてください。

必ずそこにヒントはあります。

まとめ

見方によっては税理士業界は一般企業と比べると、まだまだブラックな側面が色濃く残っている業界かもしれません。

しかし、賃金的には一般企業にはないスピードで昇給する可能性を秘めた業界であることも事実です。

将来的に独立開業を目指している人にとってはむしろ学びになる機会を多く与えられていると考えることもできるかもしれません。

ニート・フリーター等のブランクを経て勝負する方にとっては、自分の頑張り次第で実力をつけてどんどん上を目指す事ができるのもこの業界では可能です。

もちろん中には従業員を「入れ替え可能な作業要員」として扱っている様な事務所もあるかもしれませんが、幸いこの業界は転職する事が普通であり年収を上げるために必要不可欠な要素となっているので、もしもそんな事務所に出会ってしまった場合には臆する事なく新たな活躍の場を探してみましょう。

従業員はどうしても経営者のやり方に大きく左右される部分がありますが、容易に職場を変える事ができるのは経営者にはない従業員ならではの特権です。

経験値を積んでからの転職であれば尚更飛躍的に収入を増やすことも可能ですので、常に自分の市場価値を確認しながら、業界のどこにいっても重宝される人物になれる様、スキル・経験を上げることを意識してみましょう。

これからはじめて税理士事務所で働く方には少し脅かす様な内容もあったかもしれませんが、これはまーさんが実際に働いた事務所だけではなく、業界の友人知人にリサーチして書いた事実です。

労働時間の問題は年々改善が進んでいますし、年功序列ではなく実力に応じて昇進・昇給する税理士業界は、自分次第でデメリットをはるかに上回るメリットを生み出す事ができる業界です。

もし仕事に求めるものが経済的なものであれば、税理士業界は自分次第で大きく収入を伸ばす事ができるので頑張る価値は十分にあります。

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